F値によって何が変わる?撮影シーン別のF値の調整方法
スマホカメラの設定はいくつかありますが、その中でも基本的な設定の1つが「F値」です。F値はカメラの絞りのことで、写真のぼけや明るさを決定する上で欠かせない役割を果たしています。F値をうまく調整できれば、より印象的な写真に仕上げるのです。今回はスマホカメラのF値についてまとめてみましょう。
【F値ってなに?】
F値とは光の取り込める量を決める数値のことです。F値は「絞り値」とも呼ばれています。カメラのレンズはレンズの穴の開口を大きくしたり、小さくしたりすることでレンズを通って取り込む光の量を調整しています。
F値はF2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11など数値が大きくなればなるほど、開口部分は狭くなり、レンズを通って取り込まれる光は少なくなります。F値の数値はレンズの中心から像を結ぶ距離をレンズの口径で割った値として計算されます。
【F値によって被写界深度や写真の明るさが変化】
F値が調整することで何がどう変わるのかがいまいちピンと来ていない人は多いでしょう。F値を調整することによって、主に被写界深度や写真の明るさが変わってきます。ここでは被写界深度と写真の明るさの変化についてまとめてみましょう。
<被写界深度>
被写界深度とは、前後にピントが合う範囲のことであり、風景撮影であれば一般的にはF値を大きく設定し、広範囲にピントの合った写真を撮影します。F値は大きくなればなるほど絞りを絞ることになるため、手前から奥までピントの合った被写界深度の深い撮影ができます。
背景をぼかして被写体を強調する撮影方法として「ポートレート撮影」があります。ポートレート撮影ではF値を小さくして撮影します。F値を小さくすることで被写界深度は浅くなり、被写体にピントを合わせながら背景をぼかすことが可能です。
<写真の明るさ>
F値が大きくなればなるほど取り込める光の量は少なくなるため、写真は暗くなります。暗いシーンで明るく撮影したい時にはF値を小さくすることで、開口が大きくなり取り込む光の量が多くなるでしょう。
ただし写真の明るさにはF値以外にもシャッタースピードやISO感度なども関連してきます。シャッタースピードが遅くなると取り込まれる光の量は大きくなります。またISO感度が高いほど同じ光の量でも明るい写真になるでしょう。つまり写真の明るさを調整するためにはF値だけではなく、シャッタースピードやISO感度も含めて調整が必要です。
【撮影シーン別のF値の調整方法について】
撮影シーンによってF値の調整の仕方は変わります。ここでは撮影シーン別のF値の調整についてまとめてみましょう。
<ポートレート撮影>
ポートレート撮影は被写体を強調して背景をぼかすことで、視覚的に注目を集める撮影手法です。手前にピントが合う撮影をするので、被写界深度が淡くなるようにF値はF1.8~F4くらいにしましょう。
背景のぼけ具合は大きくしたい時にはF値を小さくして、背景をある程度分かるようにしたい場合にはF値を大きくします。
<風景撮影>
風景撮影をする際にはF値はF8~F11程度がおすすめです。F値を大きくして被写界深度を深くすることで、前景から背景まですべてを鮮明に写すことができます。ただしF値を大きくしすぎてしまうと、通過した光がセンサーに当たるまでに回折による影響が出やすくなり、細かいところの鮮明さが失われてしまうので気を付けましょう。F値は基本的に大きめに設定した方がシャープな画像になります。
<スポーツ撮影>
スポーツをしているところを撮影する場合は、被写体が動いているためシャッタースピードを速くする必要があります。速いシャッタースピードの中で光量を確保するにはF値を小さくして絞りを開く必要があります。被写体全体を正確にフォーカスするためにF値は小さく設定しておきましょう。
ただしF値を小さくしすぎてしまうとぼけ感が強くなりすぎたり、ピントが合わせづらくなったりします。スポーツ撮影をする際のF値としてはF4~F5.6程度がおすすめです。
<夜景・天体撮影>
天体撮影では小さいF値がおすすめです。F2.78以下にするとよりたくさんの光を取り込むことができるため、星空を綺麗に撮影できるでしょう。また夜景を美しく撮影したい場合にはF値を少し大きめのF8~F11程度に設定することで、光源を美しく撮影できます。ただしF値を大きくしすぎるとレンズの開口部が狭くなり、必要な光が得られなくなるためISO感度を上げるか、シャッタースピードを遅くするなど調整しましょう。